国際エンドーサーの古屋です。
新たにSPLよりリリースされたDiamondが、今朝方SPL JAPANに入荷致しました。
早速にデモ機として展開されるRedを開梱し、SPL⇒SPL DMC⇒Kii Three + BXTという、現代におけるこれ以上ないコンフィギュレーションで聴いてみました。中々ここまでの環境というのはSPL本社でもない限り実現できないのですが、そこは元々国際エンドーサーからスタートしたSPL JAPANらしいエッジの効いた展開が可能です。しかも、ご覧の通りMercuryとも聴き比べたり、他の部屋にあるDirector Mk2とも聴き比べたりしました。
自分たちの場合は世界で活動する音楽プロダクションが根幹にあるとともに、誰よりも多くの世界中の機材を各国で聴き比べてスタジオに導入してきていますので、こうした背景からのレビューと捉えて頂ければと思います。
昨今のDAコンバーターを含め、業務用とリスニング用とに境界がほぼ無くなってきている昨今、Diamondも正に境界線を感じさせない製品として開発された感があります。
例えばMercuryをリスニング用途に使用するという発想には決してならないような、少しギラついたようなサウンドを思わせます。それ故に、僕はマスタリングにDirector Mk2を使用していたのですが、少しお値段が張るのと、ワードクロック入力がないなど、仕様としてはリスニングに振っている感じです。Director Mk2のサウンドは流石にラージフォーマットの威力を発揮するのですが、ハーフサイズに抑えられている今回のDiamondは、パッケージをスモール化したことで、リアルさとリッチテイストを最も重視しているのと、更には世代を更に進めたHi-Fiサウンドを体感できます。常々SPLに関しては、「次世代のサウンドというものを定義するのは本当に上手い」と感じさせられます。ここ5年間を振り返っても、120vテクノロジーを全面に押し出した製品に本格着手するも、その中でも常に年を追うごとに新しい音を定義してきています。
それは世界で楽曲を制作する側に立つとわかることですが、新たな音の開発は日進月歩で3ヶ月単位で真新しくなります。これについて行けないと、最先端のマスタリングエンジニアというものは務まらないのですが、そこから更に考えを進めると、SPLのようなメーカーが新たな音を定義し、使うエンジニア側のアイディアで更に新たなサウンドと世界観が生み出されるというプロセスを踏みます。そして現状の機材で行き着いた折には、新たな機材を定義・開発するわけですから、新しい音にならないわけない環境が生み出されます。
もうここまで来るだけ来ると、好みの問題なのですが、敢えてそれぞれに機材を定義するのであればDirector Mk2はラージフォーマット故の柔和さを感じられ、Diamondからは現段階で磨くだけ磨き抜いた、究極のDAコンバーターならではのシビアな解像度と共に、音楽表現においてのリッチさを最高次元で作り上げたイメージを持ちました。
Phonitor x, xe, seと組ませれば、楽曲がまた全く異なる表情を見せます。Kii Threeでのラージスピーカーならではのレビューをメインとさせていただきましたが、そのままヘッドフォンアンプにおいてもその性能が発揮されるイメージです。
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