みなさまこんにちは。SPL Japanの加瀬でございます。本日は、私が所有しておりますSPL Phonitor 2とPhonitor seの違いについて、レコーディングエンジニアの視点よりご紹介をさせて頂ければと思います。

私自身、SPL Japanのサポート担当をさせて頂いておりますが、レコーディングエンジニアとしても、グループ会社の方でお仕事をさせて頂いております。音楽制作の際に、モニタリングに求める要素としましては、その現場で録音・再生されているそのままの音を如何に正確に緻密に聴くことができるか、という部分がございます。この点に於きましては、音楽を鑑賞する際の聴き方とは完全に異なっているかと思います。モニター回路上(モニターコントローラ・ヘッドホンアンプ・ヘッドホン・スピーカー等)で音色付けが行われてしまうと、使用するエフェクターのセッティング等々にその影響が及び、そのモニター再生音ありきでのコントロールとなってしまうということは、ご理解を頂けるかと思います。
そういった状況に於いて、音色付けがほとんどなく、しかしながらスピーカー環境での再生を擬似的に再現できる機能を持ち合わせたPhonitor 2は、その実力を発揮できるものでございます。こちらのPhonitor 2をよりブラッシュアップし、進化させたモデルが、弊社で取り扱っておりますPhonitor xでございますが、本日は、Phonitor seに焦点を当てさせて頂ければと思います。
Phonitor seは、Phonitor 2とは違い、より音楽的な音色表現を兼ね備えたシングルエンド接続仕様のヘッドホンアンプでございます。私は、DAC付きモデルを所有しておりまして、手軽にスマートフォンやタブレットから再生をさせたい時には、USB接続を使用し、制作環境でのシステムに組み込む際には、オーディオインターフェースよりオプティカル・コアキシャル接続を使用しております。また、TASCAM DA-3000とRCAケーブルにてアナログ接続をし、DACを替えて音楽鑑賞を愉しむこともございます。音楽鑑賞用のヘッドホンアンプとして使用しているというのはもちろんですが、音楽制作の際に、最終的なリスニング環境を想定したモニターの必要性がある場合にも使用しております。
Phonitor seが有する音色感については、ぜひお近くの試聴機の展示のあるお店で実際に聴いてみて頂きたく思いますが、言葉でご説明するのであれば、SPLが定義するHi-Fiの色付けがございますが、決してハイゲインと言われるような意図的に高音域が持ち上げられている音ではないということを感じ取って頂けるかと思います。
この色付けは、世界の最先端の音を作り続けている音楽プロダクション(Hiro's Music Production)の視点から考えた際には、旬なサウンドをしっかりと表現しているものであると理解をしております。これは、唯一無二のマスタリング機材を開発しているSPL社であるからこそ、成し遂げられていることかと思います。密閉型のヘッドホンと組み合わせても、またセミオープン・オープン型のヘッドホンとでも、唯一無二のサウンドを再生する製品でございます。
私の個人的なおすすめの組み合わせは、HEDD社のHEDDphoneとの組み合わせでございます。私自身、このHEDDphoneのユーザーでして、様々な機器と組み合わせて使用して参りましたが、なかなかこれを超える組み合わせというのが、見つからない状況です。是非とも一度は聴いてみて頂きたいと思います。
総じて、SPL社のPhonitorというシリーズが、ヘッドホンアンプという見方をした際に、他社製品の追随を許さないほどの製品群であると自負しております。緊急事態宣言が発令されている地域もある状況ではございますが、ぜひ一度、試聴機の展示のある販売店様へ足を運んで頂き、弊社取扱製品をお試し頂ければ幸いでございます。
SPL Japan 加瀬
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